TamatsuLab
持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について考えてみましょう。SDGsをどう企業行動に反映させるかは企業にとって重要な課題です。これからビジネスの発展を目指すのであれば、SDGsを具体的に把握するとともに、それぞれの目標、ターゲットに対してどのような行動をするべきかを考えておくことはとても大切です。ここではSDGsのそれぞれのターゲットと企業としての行動方針について考えてみます。

はじめに

SDGsは Sustainable Development Goals の略で、「持続可能な開発目標」と訳され、一般には国際連合により採択された貧困、飢餓、健康・福祉など17項目(169のターゲットを含む)の目標・ゴールをいいます。
持続とはものごとがいつまでも続くこと、現状の状態をずっと保ち続けることをいいます。もし現状のシステムが持続可能でないならば、それはいつか行き詰ってしまいます。社会が行き詰ってしまわないためには、そのシステムを持続可能な方法に置きかえていく必要があります。
開発とは、山を切り崩したり、森林を伐採したりして土地を切り開き、発展させていくこと、また考え出された新しい技術を世の中に導入していくことをいいます。山林を伐採したり、新しい技術を開発したりする行為は、国家や企業によって行われます。国家や企業が開発をするのは基本的には国家や企業の発達のためです。開発が積極的に行われれば、産業の発達には寄与するでしょう。しかし開発は往々にして環境を破壊し、汚染をひきおこします。場合によっては貧富の差が拡大し、社会不安や対立を引き起こすこともあります。
国家にしろ企業にしろ何らかの開発をする際、その社会への影響を考慮すること、社会の持続に貢献するよう開発の方向性を変えていくことが求められます。これからの開発は、社会の持続可能性に貢献するものであることが求められているのです。
目標とは何かをするときに目指す目印です。国連は17項目の目標を掲げ、これらを目指して私たちが行動することを求めています。まずは、その目標をひとつひとつ吟味してみましょう。そして、その目標が正しいかどうか、企業にとって意味があるかどうかも含めて考えたうえで、どのような目標や行動方針を企業として立てていくべきかを考えていきましょう。

1「貧困をなくそう」

SDGsの1番目は「貧困をなくそう」です。目標は「あらゆる場所、あらゆる形態の貧困を終わらせる」としています。貧困とは貧しく、その生活が苦しくて困難なことをいいます。貧しいがゆえに生活を続けていく希望が持てず、生きていること自体が苦しみでしかないような日々を過ごしているのでは、つらい限りです。人々が幸せで健康な生活を続けていくためにも、貧困からの脱出はとても大切です。より多くの人々が貧困から脱出するためには、まずは貧困を作り出すような社会システムを変えていく必要があります。

2「飢餓をゼロに」

SDGsの2番目は「飢餓をゼロに」です。目標は「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」としています。飢餓とは食物が食べられず、飢えていくことをいいます。必要な食物がなければ、健康を維持するどころか、場合によっては生きていくことも難しくなります。人々が飢餓に苦しむことなく、健康を維持していくためには、適切な農業の発展維持とともに、食料を適切に分配する社会システムを構築していくことが大切です。さらに、人々が食料を買い占めたりしないよう、むしろ飢えている人を積極的に救済していくよう、人々のモラルが高まっていくことも求められます。

3「すべての人に健康と福祉を」

SDGsの3番目は「すべての人に健康と福祉を」です。目標は「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」としています。健康とは人の心と身体、その両方が良好な状態であり活き活きとしていることをいいます。福祉とは人々を苦しみから救い幸せと豊さを実感するよう導くことをいいます。健康がなければ、日々明るく活き活きと過ごすことはできません。福祉が無ければ人々は幸せと豊かさを実感することがむつかしくなります。健康と福祉は人々の幸せのために重要であり、なおざりにはできないものです。

4「質の高い教育をみんなに」

SDGsの4番目は「質の高い教育をみんなに」です。目標は「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」としています。教育とは教え育てること、未成熟でそのままでは問題となる人々を何らかのより良い方向に導いていくことをいいます。質の良い教育を受けられなければ失敗しトラブルをおこし社会で役に立たず物事がわからず正しい行動がとれなくなって、場合によっては人にとっても社会にとっても大きな損失になってしまいます。人々がより良い生活を実現していくためにも、また社会全体がより好ましくなっていくためにも、良質な教育を広く普及させていくことはとても重要です。

5「ジェンダー平等を実現しよう」

SDGsの5番目は「ジェンダー平等を実現しよう」です。目標は「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」としています。ジェンダーとは性別のこと、男性と女性の別のことをいいます。また平等とは待遇に差をつけず、差別なく等しく扱うことをいいます。社会において不当な差別はなくしていかなくてはなりません。社会の中で男性と女性とでは様々な差別があるとされています。とりわけ、歴史的には女性の立場が弱く、差別され続けてきたといわれています。ジェンダー平等の実現は、いわゆる男尊女卑社会の解消であり、女性の能力と立場の強化を目指したものです。

6「安全な水とトイレを世界中に」

SDGsの6番目は「安全な水とトイレを世界中に」です。目標は「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」としています。「安全な」とありますが、原文はclean(清潔な、菌など有害物や汚れが含まれないこと)とあります。水とは、地球という惑星において雨となり、川をつくり、池や湖をつくり、それが浄化されながら循環することによって生命にとって不可欠になる液体です。トイレとは便器のことですが、原文はtoiletではなくsanitation(衛生)と書かれています。衛生とは病気予防や健康のために努めることをいい、汚物・廃棄物や汚水の処理などを通じて人々を健康への脅威から守ることをいいます。クリーンな水と良い衛生環境を確保することは人々の生命と健康のためにとても重要です。

7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

SDGsの7番目は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。目標は「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」としています。エネルギーとは熱や動力をもたらす物理学的な力量のことです。エネルギー問題などと言う場合は、人々が暖房や冷房その他の生活などで利用する燃料や電力のこと、また発電するためのエネルギー源についての問題をさします。エネルギー価格が高騰したり、エネルギーの利用で環境汚染が発生することは、人々の生活に深刻な影響をもたらします。

8「働きがいも経済成長も」

SDGsの8番目は「働きがいも経済成長も」です。目標は「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」としています。経済という漢字は経世済民の略ですが、英語の economy は国などが発行するお金とモノやサービスがつくられて消費される社会のシステムを意味します。経済成長とはその貨幣による経済システムが育って大きくなることです。これまで多くの人々によって豊かになるには常に経済成長が必要だと信じられてきており、経済成長と持続可能性との両立は大きな課題と言われています。ここではさらに、働き甲斐あるいはディーセント・ワークとの両立を目指しています。

9「産業と技術革新の基盤をつくろう」

SDGsの9番目は「産業と技術革新の基盤をつくろう」です。目標は「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」としています。産業とは生産を営む事業をいいます。革新とは新たな考えや方法によってものごとを新しくすること、基盤とは基礎や土台のことです。新たな考えや方法が生み出され、ものごとが新しくなっていくことで社会が進歩し、技術が向上していくことで今まで不可能と思われていたことが可能になっていくことが期待されます。そのための基盤づくりをしていくのがここでの目標です。 技術革新とは

10「人や国の不平等をなくそう」

SDGsの10番目は「人や国の不平等をなくそう」です。目標は「各国内及び各国間の不平等を是正する」としています。不平等とは差別があること、扱いや待遇に差をつけられていることをいいます。国内外で飢餓や貧困、あるいは大きな格差が発生しているところには、往々にして不当な不平等があります。不平等は、貧困や飢餓、教育格差、ひいては所得格差の拡大をもたらします。不平等をなくしていくことで多くの人々が受けている不幸をなくしていこうというのがここでの目標です。

11「住み続けられるまちづくりを」

SDGsの11番目は「住み続けられるまちづくりを」です。目標は「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」としています。包摂的とは多様性を受け入れて包み込むこと、強靭(レジリエント)とは弾力性があり回復力があることと解釈されます。都市や人間の居住地が持続可能であることは、人々の将来に不安を残さないためにも重要です。せっかく生活するのであれば、安心して住み続けられるまちに住みたいものです。

12「つくる責任、つかう責任」

SDGsの12番目は「つくる責任、つかう責任」です。目標は「持続可能な生産消費形態を確保する」としています。生産とは生活のためのなりわい、あるいは自然物を加工するなどして生活に必要な人にとって価値あるものを作り出す仕事をいいます。消費とはものを使い、費やすことをいいます。このゴールは、生産と消費が持続可能であることを確保していこうというものです。そのために、生産者および消費者には一定の責任があると考えています。

13「気候変動に具体的な対策を」

SDGsの13番目は「気候変動に具体的な対策を」です。目標は「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」としています。気候とは温度・湿度や天気、降水量などの平均的状態のことをいいます。例えばある地域での平均気温がだんだん変化すれば、その地域で成育できる作物は変化します。降水量が極端に変化すれば生物及び人間の生活にさまざまな影響を与えます。大きな影響を及ぼすような気候変動に具体的な対策を講じようというのがこのゴールです。

14「海の豊かさを守ろう」

SDGsの14番目は「海の豊かさを守ろう」です。目標は「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」としています。海洋資源といえばまずは魚介類などの水産物や食塩がありますが、さらに海洋に眠る鉱物や石油、メタンハイドレート、海流や海洋温度差などのエネルギーも海洋資源として含まれます。海は様々な生命を育む豊富な資源を持ち、その豊かさを守りながら利用していこうというのがこのゴールです。

15「陸の豊かさも守ろう」

SDGsの15番目は「陸の豊かさも守ろう」です。目標は「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」としています。生態系は生物が食物連鎖など様々な関連を持ちながら構成されるいわば生物によって構成される社会です。そして森林は生物環境を構成する重要な自然環境のひとつです。また生物多様性とは多様な生物が存在していることをいいます。

16「平和と公正をすべての人々に」

SDGsの16番目は「平和と公正をすべての人々に」です。目標は「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」としています。平和とは戦争が無く穏やかに世の中が治まっていることをいいます。公正とは偏りが無く公平で正しいことをいいます。人々が戦争や迫害の脅威にさらされず穏やかに安心して暮らせるためにも、平和と公正を世界中で実現していくことが重要です。

17「パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGsの17番目は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。目標は「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」としています。パートナーとは利害を共にする仲間をいい、パートナーシップは仲間が共同で事業を営む状態や関係のことです。私たちは地球という一つの星で生活する住人であり、地球環境の変動は私たちの生活に大きな影響を与えます。持続可能な開発目標を達成するためには、争いや責任の押し付け合いをするのでなく、パートナーシップを活性化して皆が協力し合うことが大切です。

企業のこれからについて

SDGsは企業に大きな方針転換を迫っているように見えます。SDGsに従うなら、これまでの大量生産・大量消費を見直し、環境に大きな影響を与える開発を控え、利益を追求するために激しく競争したり、格差を拡大するような事業はしないようにしていかなくてはならないでしょう。企業はあくまで利益を追求しなくてはなりません。今までのやり方では利益を追求できないのであれば、やり方を変えていかなくてはなりません。それでは、これからの時代企業はどのように考え、行動していくべきでしょうか。


ページのトップへ戻る