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持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について

持続可能な開発目標(SDGs)と企業の行動方針について>7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

SDGsの7番目は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。目標は「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」としています。エネルギーとは熱や動力をもたらす物理学的な力量のことです。エネルギー問題などと言う場合は、人々が暖房や冷房その他の生活などで利用する燃料や電力のこと、また発電するためのエネルギー源についての問題をさします。エネルギー価格が高騰したり、エネルギーの利用で環境汚染が発生することは、人々の生活に深刻な影響をもたらします。

7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

エネルギーは人が生きていくうえで不可欠です。エネルギー問題は人々が社会生活を営んでいく中での基礎的かつ重要な課題です。持続可能な社会を実現していくためには、エネルギー問題に積極的に取り組み、解決を図っていくことが求められます。
SDGsではエネルギーが手ごろな価格(日本語文では「みんなに」)そしてクリーンであることが求められます。「手ごろな価格」と「クリーン」をどのように解釈するかによって、ターゲットそのものが揺らいでしまいます。何が手ごろで、何がクリーンであるかの理解が異なれば、とるべき行動が異なってくるからです。
「手ごろな価格」とは誰にとって手ごろだというのでしょうか。先進国の中間層にとって手ごろでも、発展途上国の中間層では手ごろと言えないかもしれません。貧富の差が大きければ、国の平均年収世帯にとって手ごろでも多くの人々にとって手の届かない価格である可能性があります。発展途上国の貧困層でも手頃に買えるくらいの価格にするのであれば、相当価格を下げなくてはなりません。すべての人々にとって「エネルギーを手ごろな価格」にするのであれば、まずは国家間や国内での貧富の格差を是正する取り組みから始めなくてはならないかもしれません。
日本語文のように「エネルギーを手ごろな価格で」ではなく「エネルギーをみんなに」という言葉に目標を置きかえた場合はどうでしょうか。「エネルギーをみんなに」という目標は、エネルギーが誰かが独占して良いものではなく、みんなで公平に分かち合うべきものだという考えが伺えます。すなわち、誰もが手ごろにエネルギーを利用できるよう、富裕層・金持ちがエネルギーを独占しないようにしていこうという考え方が含まれているように感じるのです。SDGsの affordable を「みんなに」と訳した人の真意はわからないのでなんとも言えませんが、もしこの目標をエネルギーの公平な分配とするならば、「手ごろな価格にする」という目標とは異なる行動が求められることになります。
「クリーン」なエネルギーとは、どんなエネルギーでしょうか。原子力はクリーンでしょうか、太陽光発電はクリーンでしょうか、風力発電は本当にクリーンなエネルギーと言えるでしょうか。それとも、これらは私たちが知らされていないところで環境破壊を引き起こしているのでしょうか。エネルギーがクリーンかどうかについて、客観的で正しい指標があるのでしょうか。
どういうエネルギーをクリーンと判断するかによって、取るべき行動は大きく異なってきます。
企業においても、エネルギー問題は企業活動をしていくうえでなおざりにできない重要な課題です。エネルギー問題に対処するための方向性は、時代や社会風潮によっても判断が変わりかねない微妙な問題です。企業としても活動をしていくにあたって、エネルギーに関する微妙な問題についての時代の変化を敏感に読み取り、時代を先取りするような対策を取っていくことが求められます。また、その主要活動地域だけでなく海外進出先などでのエネルギー問題の現状を把握し、その改善のための活動を支援していくことが望ましいでしょう。
なお、国連は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に関して5項目の具体的なターゲットを設定しています。実際に「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の目標を実現していくためにも、これらのターゲットについても見て、考えていきましょう。


7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。


安価で信頼できる現代的エネルギーを普遍的に入手できることは人々の生活にとって基礎的で重要なことです。
企業としては、事業活動において消費するエネルギー量の現状を把握し、また将来予測を立てて、エネルギーの確保に努めるとともに効率向上すなわち同一目的を達するための消費エネルギー量の削減に努めることが大切です。また、活動地域や海外進出先でのエネルギー事情改善のために支援活動をしていくのも良いでしょう。

7.1 行動方針案
・「事業活動において消費するエネルギー量の現状を把握し、また将来予測を立てて、エネルギーの確保に努めるとともに効率向上すなわち同一目的を達するための消費エネルギー量の削減に努める。また、活動地域や海外進出先でのエネルギー事情改善のために支援活動をしていく」

7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。


エネルギーミックスとは一般に発電のために使用するエネルギーとしての石油、石炭、ガス、水力、原子力、太陽熱などの構成比率をいいます。国家は通常、エネルギーミックスをコストや供給リスク、安全性などを考慮して決めていきます。ここで再生可能エネルギーとは、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどのエネルギー源をいいます。再生可能エネルギーの特長としては、燃焼による環境汚染や温室効果ガス発生による地球温暖化への影響が少ない、自然エネルギーなので有限ではなく枯渇の心配が少ない、そして産油地など限られた場所で採れるわけではないので紛争の原因になりにくいなどの利点があります。一方で、天候などの影響を受けやすく安定供給や出力調整がむつかしい、日本に限った話ですが発電コストが高い、また発電方法によっては必ずしも環境にやさしくないなどの課題があります。
SDGsではこの再生可能エネルギーを「クリーンな」エネルギーと位置付けており、大幅にその割合を引き上げることを目標としています。
企業としても、再生可能エネルギーの拡大と低コスト化に取り組んでいくことは重要な課題です。また、活動地域や海外進出先での再生エネルギー事情改善のために支援活動をしていくのも良いでしょう。

7.2 行動方針案
・「再生可能エネルギーの拡大と低コスト化に取り組んでいく。また、活動地域や海外進出先での再生エネルギー事情改善のために支援活動をしていく」

7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。


エネルギー効率というのは使用したエネルギーに対して利用できるエネルギーのことをいいます。エネルギー効率を改善するとはエネルギーの無駄遣いを無くし、より有効に利用するということです。
「改善率を倍増させる」とはけっこう乱暴な目標です。現状として技術が未発達で効率の悪い発電をしているのであれば、新しい技術を導入して改善率を倍増させるのは簡単でしょう。しかし、すでに最新技術を導入しており、物理学における理論上も限界に近いくらい高い効率で発電をしているのであれば、そこからエネルギー効率の改善率を倍増させるのは不可能かもしれません。
企業としても、事業活動においてエネルギーをどれくらい消費し、それがどれくらい有効に利用されているのかを知るのは大切なことです。現状を把握したうえで計画を立て、改善活動に取り組んでいきましょう。また、活動地域や海外進出先でのエネルギー効率改善のために支援活動をしていくのも良いでしょう。

7.3 行動方針案
・「事業活動においてエネルギーをどれくらい消費し、それがどれくらい有効に利用されているのか現状を把握したうえで計画を立て、改善活動に取り組む。また、活動地域や海外進出先でのエネルギー効率改善のために支援活動をしていく」

7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。


エネルギー問題に取り組むにあたっては、先進的で正しい科学技術研究と技術開発が欠かせません。間違った知識で間違った判断をしないためにも、人々が最新の研究技術にアクセスできるよう国際協力が進むことが望ましいでしょう。
企業としては、クリーンエネルギー技術開発への投資を前向きに検討するとともに、活動地域や海外進出先の研究機関や企業との情報交流とより正しい知識の活用を進めるのが好ましいでしょう。

7.a 行動方針案
・「クリーンエネルギー技術開発への投資を前向きに検討するとともに、活動地域や海外進出先の研究機関や企業との情報交流とより正しい知識の活用を進める」

7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。


ここでは途上国に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給出来るようにするための支援がうたわれています。開発途上国が技術的あるいは経済的に立ち遅れてエネルギーサービスに大きな問題が生じることのないよう、インフラ面と技術面において支援をしていこうというものです。
企業としては、開発途上国に進出する際に地域のエネルギー事情を悪化させないようこころがけるとともに、エネルギーインフラや技術における協力や支援に参加することが望ましいでしょう。

7.b 行動方針案
・「開発途上国に進出する際に地域のエネルギー事情を悪化させないようこころがけるとともに、エネルギーインフラや技術における協力や支援に参加していく」
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