国家を支配するための六要素とその特性について考えてみましょう。ここで国家を支配するための六要素とは、血筋、権威、武力、欲望、宗教、そして大衆をいいます。これらの要素は相互に作用して国家を成長させる場合もあれば、衰退させる場合もあります。より良い社会の実現に向かわせる場合もあれば、危険な方向に向かわせる場合もあります。また国内だけでなく、諸外国の六要素との相互作用も国家の運営に大きな影響を与えます。国家を適切に運営し、より良い方向に導いていくためには、これら六要素の特性を理解し、管理し、活用していくことが大切です。六要素の特性を活用した国家運営について考えてみましょう。
国家は何によって支配されているでしょうか。どのような国家が成長し、どのような国家が衰退していくでしょうか。私たちは国家を評価するとき、どのような指標で考えると良いのでしょうか。なにかより良い国家運営をするための方法はあるのでしょうか。
国家は複雑かつ巨大であり、その運営は容易ではありません。しかし、国家が何に支配されているかをつぶさに観察すれば、その方法論が見つかるかもしれません。まずは、国家を支配するための要素を六つに分類してみましょう。そして、それら六要素の管理・活用による国家運営について考えてみましょう。
国家を支配するための六要素とは、血筋、権威、武力、欲望、宗教、そして大衆をいいます。
血筋とは血族であり先祖代々伝えられる伝統文化や素養を受け継いだ血統です。誰がどのような血筋であるかは、国家を支配する権力者としての素養があるかどうかを人々に納得させる重要な要素になります。
権威とは権勢と威力のことをいいます。その道にすぐれていて専門の学会などで頂点に立ちあるいは指導者として長年信頼され、人々を指図して服従させる威力のある人のことを権威ある人といいます。
武力とは兵力、戦う力、暴力をいいます。武力は国家によって統率され、管理されるのが通常です。しかし時として武力は暴走します。国内で武力同士が衝突することがあります。場合によっては武力が国家を転覆させ、あるいは武力によって国家が支配されることがあります。国家を維持し、発展させるために武力は必要です。しかし武力が強大になりすぎて国家が分裂したり滅んだりすることもありえます。
欲望とは人々が何かを欲すること、不足を満たそうとする心をいいます。人には様々な欲望があります。人々は欲望によって行動を駆り立てられることがあります。場合によっては人々の欲望が刺激されて集団行動が促され、社会や国家を動かす力になることがあります。
宗教とは日常を超越した何らかのものごとを信仰し、あるいは崇拝する教義やそれらに基づく人々の思想・行動をいいます。宗教は人々を動かし、世界を動かします。世界の様々な紛争やもめ事は宗教が起因しているともいわれます。宗教が国家を支配することは珍しくありません。
大衆とは世の中にいる多数の人々をいいます。普段は静かで大人しく日常生活を営んでいるだけのように見える人々ですが、ひとたび大衆が動き出せば国家を動かし、場合によっては国家を支配するものすごい力になることがあります。逆に、大衆をだまし、陰で大衆を操って扇動することで国家を転覆させ、あるいは国家を支配しようとする陰謀も世界では渦巻いているといわれています。大衆は一時的に大きな力になることもありますが、安定した力にはなりにくいといわれています。大衆行動は長続きしにくく、反動によって望ましい方向とは逆方向に国家を動かしてしまうこともあります。
国家は人で成り立ちます。国家を構成するのはその国家に所属する国民です。国家が成長するとは、国民が増え、なおかつその国民一人一人が豊かになることです。国民が減少すれば、たとえ国民一人あたりの生産性を向上させても国家が成長しているとはいえません。もし国民が減少し、さらに国民一人一人が貧しくなれば、国家は加速的に衰退していきます。
国家を支配するための六要素がどのように働くかによって、国家が成長したり、衰退したりします。国家を継続的に成長させ、より良い社会を実現していくためには、国家を支配するための六要素の特性を理解し、管理し、活用していくことが大切です。これらの六要素の国家への影響力は日々変化します。その変化を見誤ると、国家全体が危険な方向に動いてしまうおそれがあります。
また我が国だけでなく、外国にも国家を支配する六要素があります。そして、それらが様々な相互作用を及ぼします。複雑な国際情勢も、六要素に整理しなおしてみると理解しやすくなるかもしれません。
国家の継続的な繁栄を実現する基礎づくりのためにも、国家を支配するための六要素の理解、管理、活用が重要です。六要素の特性を活かした国家運営を実現するための方法論について考えてみましょう。
