TamatsuLab

ホーム技術エネルギー問題と私たちの生活について>エネルギー問題と国際政治

エネルギー問題と国際政治

エネルギー問題は国際政治と密接に関係します。世界には様々な国があります。天然資源の豊富な国、資源の乏しい国、産油国、石炭埋蔵量の多い国、あるいはウラン埋蔵量が多い国など、国によって状況はさまざまです。また島国、半島国、内陸国など、国家はその地理的要因等によってエネルギーに対する立場が異なります。それぞれ状況や立場が異なるのですから、世界全体で一致した考え方を持つのはなかなか困難です。

エネルギー問題と国際政治

エネルギーに対する考え方は国家それぞれの事情や歴史的背景によって異なってきます。
例えばフランスはヨーロッパの中でも脱石油と原子力推進に積極的といわれています。なぜフランスが原子力に積極的なのか、調べて見るといろいろな事情や歴史的背景が見えてきます。
フランスはヨーロッパの中心的な国家であり、そのフランスが脱石油と原発推進に積極的であれば、ヨーロッパ諸国もその勢いに影響されやすくなります。
では、ヨーロッパ以外の国々ではどうでしょうか。産油国は基本的に脱石油や原発推進に積極的にはなれないでしょう。財政状況の厳しい発展途上国は今まで導入したインフラをそのまま使いたいという国が多いでしょう。国内で石炭が豊富に採れる国であれば、石炭発電を続けたいと考えるかもしれません。今までのエネルギー政策を大幅に転換するのは巨大なコストがかかりますから、従来路線をそのまま進みたいと多くの国々が考えるのは不思議ではありません。
つまり、フランスを中心にヨーロッパが脱石油と原子力推進を呼びかけたとしても、世界の国々がすべてすぐにそれに従うわけではないのです。
むしろ、発展途上国や産油国などは、脱石油などという面倒くさいことを言ってくるヨーロッパから離れて、うるさいことを言ってこない限りロシアや中国に近寄ろうとするかもしれません。
エネルギー問題は国際政治にも大きな影響を及ぼします。それぞれの諸国の事情もわきまえずに、ただ自分たちの主張だけを押し通そうとすれば、場合によっては国際的に孤立してしまう恐れもあります。
本来、エネルギー問題について世界全体で一致した考え方を持とうとすること自体が、間違っているのかもしれません。
国内のエネルギー政策を考えるにしても、国際社会での立ち位置を考えるにしても、各国の事情や歴史的背景そして国際政治の動向を見極めることが大切になってきます。


△ホームに戻る

ページのトップへ戻る