ホーム>技術>エネルギー問題と私たちの生活について>CO2の排出は気候変動の支配要因ではない
地球上のさまざまな場所で気候変動が起きていると言われます。中には深刻な気候変動が起きている地域もあり、緊急の対策が必要だともいわれています。実際に気候変動はどの程度発生しているのでしょうか。気候変動の要因は何なのでしょうか。私たちは気候変動の程度とその要因を正しく把握するとともに、適切な対策を取っていくことが求められます。思い込みや悪意のあるウソのプロパガンダによって、間違った行動を取ってしまわないよう、十分に用心しなくてはいけません。
地球上の気候変動の最大の支配要因は太陽です。地球が太陽から受け取り続けているエネルギーは膨大であり、地球の気候はほぼ太陽によって支配されています。私たちは、晴れている日と曇りの日、雨の日で日中の気温上昇の度合いが大きく異なり、一日の過ごしやすさが変わってくるのを知っています。太陽からの放熱量が増えれば、地球の温度が上昇すると考えられます。逆に、太陽からの放熱量が減れば、地球の温度は下がることでしょう。もし太陽が無くなれば、地球は一気に凍り付いてしまうかもしれません。それだけ、太陽が地球上の気候に与える影響は大きいのです。
気候変動の要因は太陽だけではありません。地球上のさまざまな物理現象も、地球上の気候に影響を与えます。地軸のずれや地殻変動は気候に影響を与えます。火山が噴火したり、大規模な山火事が自然発生すれば、気候に大きな影響をあたえると考えられます。
もちろん、人類の活動も気候に影響を与えます。クルマだけでなく、エアコン、電車やエレベーターなどを利用しても排熱が発生します。また、電気をつくっている発電所は発電と共に排熱を発生させており、環境に影響を与え続けます。
昨今では、CO2の排出が気候変動の原因だとする説が広まっています。中には、CO2の排出量さえ減らせば気候変動の問題が解決すると信じている人たちもいるようです。彼らは極端に石油や石炭の使用を嫌悪し、それらをストップさせようとしています。そして原子力や風力、太陽光発電をCO2を排出しない発電だと主張して推進しようとしています。
さらに、牛のゲップが地球温暖化の原因だとして、牧畜を削減し、肉食をやめさせようとする動きもあるようです。ここまでくると異常と言わざるを得ないかもしれません。ゲップは牛だけでなく、人間を含めた多くの動物がします。私たちは毎日呼吸します。呼吸をすることによって酸素を吸収し、CO2を排出しています。「脱炭素」を唱えてCO2を削減しろと叫ぶ人たちは、このままエスカレートすれば最終的には人類は呼吸を止めろなどと叫び出すかもしれません。あたかもCO2の排出が唯一の悪玉であるかのような考え方が、人々を窒息させるような間違った方向に突き動かそうとしています。
CO2を排出しないからと言っても、原子力発電は排熱を出しますし、放射性廃棄物を出します。それに、万一事故が発生すれば地域に甚大な被害を及ぼすおそれがあります。風力や太陽光発電も火力発電と比較して必ずしも環境にやさしい発電だとは言えません。
CO2の排出は気候変動の支配要因ではありません。あくまで、地球上の気候変動の最大の支配要因は太陽です。ですから、気候変動に対して何らかの対策をしたいのであれば、地球が太陽から受け取り続けているエネルギーに着目することが大切です。
すなわち、気温の上昇を抑えたいのであれば、日中は太陽からのエネルギーをあまり受け取らないよう、あるいは太陽光エネルギーが熱エネルギーに変換されないように工夫し、また夜間は放射冷却が促進されるように工夫していくのが良いでしょう。環境保護の観点からも、水の循環の利用や光合成の活用を積極的に進めていくのが良いでしょう。ところが、いわゆる環境ビジネスの世界では水の循環や光合成はあまり儲からないためか、重視されない傾向にあります。
ただやみくもにCO2削減を叫び、原子力や太陽光、風力発電を推進しているのでは、決して気候変動対策にはならないでしょう。私たちは環境ビジネスによる宣伝工作やプロパガンダにダマされないように注意しましょう。より良い未来を実現していくためにも、現状を正しく把握して適切な対策を取っていくことが大切です。