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人口密集と電力消費による排熱が都市の気温上昇を生む

多くの都市では年々、気温が上昇しているといわれています。人口が密集する都市部では、人間活動による排熱もそれだけ多くなります。断熱性能の高い建物が多いほど熱がこもりやすくなりますし、ビルが林立すれば風通しが悪くなります。都市部ではエアコンの使用率も高くなり、ますます電力消費と排熱が増えて、気温上昇しやすくなります。いわゆる都市部のヒートアイランド現象です。

人口密集と電力消費による排熱が都市の気温上昇を生む

真夏の晴れた日に都会を歩くのは危険かもしれません。太陽はじりじりと照り付け、アスファルトやビルの窓ガラスから太陽光が照り返してさらに暑さを増幅します。その上通り道にエアコンの室外機があったらさらに熱を受けることになります。
都市には人が集まりやすいです。富があり、仕事があり、娯楽があり、イベントがあります。そして、人は他人が集まっているところに集まりたがります。経済活動が活発になればなるほど、都市部に人口が集中しやすくなります。
都市部は電力消費が増えます。電力消費が増えれば、そこで排熱が発生します。クルマや電車などの交通手段、エアコンの室外機、あるいはエスカレーターやエレベーターなど、テレビ、ゲーム機器など、またコンピューター機器などからも熱は発生しているのです。
昨今は空調性能を高めるため、密閉性・断熱性の高い建築物が増えています。建築物の密閉性・断熱性が高まれば、風の流れや水の循環が滞りやすくなります。
ヒートアイランド現象による気温上昇については主に3つの要因があげられています。ひとつめは地表がアスファルトなどで覆われて、木や草による光合成、あるいは水の蒸発による地表冷却などが行われないこと。ふたつめはビルなどが林立して風通しが悪くなり、対流による冷却が行われないこと。そしてみっつめが人間活動の増大によりガソリンや電力消費が増えてその分排熱が増加していることです。
ヒートアイランド現象を解消していくためには、これら3つの要因を解消していく必要があります。すなわち地表を土に戻すなどして緑を増やし、水の循環を促していくこと。風の流れを考慮した建築構造にして風通しを良くすること。そして人間活動による排熱の削減に取り組むことです。
また人々を都市部に集中させすぎないようにすること。すなわち人々が地方に分散して生活したくなるような施策をしていくことがヒートアイランド現象の解消には重要になってくるでしょう。


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