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24.このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山(たむけやま) 紅葉(もみじ)の錦 神のまにまに  菅家

小倉百人一首の二十四首目は菅家の歌です。菅家というのは学問の神様として知られる菅原道真公のことです。菅原道真は優秀で智恵があり、宇多天皇に重用されるなどして右大臣まで出世しましたが、藤原時平の陰謀により大宰府に左遷されました。この歌は、道真が行幸に同行した際、神様にささげる幣を用意できなかったので詠んだ歌だとされています。

24.このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山(たむけやま) 紅葉(もみじ)の錦 神のまにまに  菅家

歌の解釈としてはおおよそ、「今回の旅では、なにぶん急なことだったので幣をとって捧げることができません。ちょうど今、手向山に美しい紅葉がありますから、これを幣として神様、お受け取りください 」です。急に旅が決まったので、幣帛が用意できなかったので、道真が機転を利かせて山の紅葉を神様に捧げることとした、という歌です。
菅原道真の素直さと、神への忠誠心が伝わってくるような歌ですね。
菅原道真は「東風(こち)吹かば」で始まる歌が有名です。ちなみに、菅原道真公が祀られる天満宮では梅の紋章が使われているようです。
藤原定家は菅原道真のこの歌を百人一首の二十四首目に選びました。わざわざ「菅家」としたのは、実名を書くのは恐れ多いと思ったからかもしれません。定家自身も、道真公の歌の素晴らしさを高く評価するとともに、これ以上祟らないで欲しいという願いを込めて、「神」という言葉が含まれるこの歌を選んだとも考えられます。


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